ミステリー本感想「密室殺人ゲーム 王手飛車取り」&「2.0」

  • 2013.11.14 Thursday
  • 19:46


密室殺人ゲーム

 藤原宰太郎と言う作家を知っていられるだろうか?私も10〜20代の頃、何度も読んだ記憶があるが、数多くの有名ミステリー作品のトリックを集めて「推理クイズ本」を出していた。ほとんどが、それまでの物語り&伏線をすっ飛ばして、トリック部分のみをクイズに仕立てている為、正解を出す事は(まかり間違っても)不可能……だったかな?(笑)クイズ本と言うよりも、答えに書かれたトリックを見て「へえ〜〜?」とビックリするのが、ほとんどだったように思う。

 そんな「ミステリーマニアの推理クイズ」スピリッツが根底にあるのが、歌野晶午氏の「密室殺人ゲーム」シリーズだ。極度にマニアックなミステリーファンが、自分たちの周囲で起こった殺人事件を、あれやこれやと推理する展開は、「虚無への供物」や「匣の中の失楽」「新本格の様々な作品」で見られるが……それらの作品群と「密室殺人〜〜」のシリーズが根本的に異なっている点が、ネット上で知り合った「頭狂人」「ザンギャ君」「aXe」「伴道全教授」「044APD」(ちなみに、「044APD」は、コロンボ警部の愛車のナンバー。伴道全教授は、タイタニック号の沈没で命を落とした推理作家ージャック・フットレルが生み出した名探偵ーオーガスタス・S・F・X・ヴァン・ドゥーゼン教諭のパロディー)の5人が、チャットで行う推理合戦で、そこで語られる幾つもの殺人事件が、全て「自分たちの手で、実際に行われたもの」である事だ!

 
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楠木誠一郎「明治必殺!」

  • 2013.06.12 Wednesday
  • 01:51

 ずっと以前から探していて、先日アマゾンで購入出来た「時代活劇小説」です。

明治必殺!

 舞台は明治初頭。主役は、闇の頭の指令で「殺し屋稼業」を行う"始末屋"……元・長州藩士の剣客・鯨源九郎(「るろうに剣心」ではありません!)と、その一党。狙うは、維新の英傑にして内務卿・大久保利通!敵は、大警視・川路利良と元新選組隊士・斉藤一(藤田五郎)!(だから「剣心」じゃないと言うとろうが!(笑))

 ストーリーは、ひたすら「ハード」で、ひたすら「エロ」!(爆)彼らは「晴らせぬ恨みを晴らし、許せぬ人でなしを消す」仕掛人……ではない!(「仕事人」と例えても可)とにかく、全編が、ハードなアクションの連続で、息つく暇もないが……そこかしこに「初期・必殺シリーズ」の雰囲気を感じさせる(捕まった仲間の口を封じようとする下りは「仕業人」)。

 でも、「……おお、これは!」と思った「必殺ネタ」は……元力士の殺し屋・熊嵐の本名が「田中熊男」。筆頭同心の田中様か!?(爆)→田中様の本名は「田中熊五郎」。元鍛冶屋で、無口なイケメンの殺し屋・昌弥→これは、もう「鍛冶屋の政」だなあ!(笑)……と、後期揃い。
 

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こんなところに「必殺」&「仕事人」ネタ 〜「雲盗り暫平」〜

  • 2013.03.29 Friday
  • 03:52

 先にツイッターで呟いたネタですが、改めて詳細を……。

 さいとう・たかを氏が描く、江戸時代の怪盗モノ劇画ー「雲盗り暫平」シリーズ。主人公は、元公儀お庭番で、今は市井の人々から依頼されて、何でも盗む「盗賊稼業」を営んでいる、通称・雲盗り暫平。いわゆる「盗みはすれども、非道はせず」がモットーです。

雲盗り暫平

 以前に買った「恐怖!!虫の居所」では、謎の仕事人集団−戸袋陣内一味(武器は、弓矢に連発銃・爆裂弾)と盲目の剣士・白井主水に、訳も分からぬまま暫平が狙われます。計略で陣内一味を倒した暫平も、盲目の身でありながら、どこまでもどこまでも追ってくる主水の不思議に悩まされ、最後は乾坤一擲の大勝負で逆転勝ちします。

 この白井主水(又の名は、鬼虫主水)の謎は、サスケや伊賀の影丸等の「忍者漫画」、山田風太郎の忍法帖シリーズによく出てくる「技」で、逆転勝ちした手段も、そう言った作品群でよく見られます。結局、この作品では、暫平殺しの依頼人が登場しない訳ですが、その後日譚として描かれたのが、今回購入した続編ー「狼にはツキがない」を収録した、コンビ二版「お姫様、盗んで候」の巻です。

 「狼にはツキがない」では、前作で暫平の命を狙った仕事人たちの雇い主として、表稼業は著名な料理屋で、裏の稼業が仕事人の元締・加納屋周吾郎。加納屋が雇った浪人者(槍使いが一人に、剣を使うのが3人。いずれも名が不明)。そして、白井主水の双子の兄で仕事人の白井権八が登場します。
 そして、前回の話で暫平殺しを頼んだ「依頼人」も登場するんですが……これが、公儀隠密時代の暫平の行いを、全くの逆恨みした女たちによるものでした。

 中でも白井は、懐が寂しくなるや辻斬りや道場破りをすると言う、仕掛人になる前の西村左内や「仕事人」#6の松平聖二郎を連想させるような「トンデモナイ野郎」です!(笑)一時は親しく酒を酌み交わし、クライマックスで殺し合いに突入しても、互いの凄腕故に「あえて戦う事を忌避」した二人ですが……暫平自身も、戦ったら"自分が負ける"と覚悟する程の凄腕!……最後は、剣客としての血か、仕事人としての宿命からか、結局は対決する羽目に……。あえて、その顛末は書きませんが、主人公が「死ぬ」筈はないので(笑)、どうなったかは、ある程度想像がつくと思います。
 

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白土三平とさいとう・たかをの時代劇漫画に、仕掛人と仕事人

  • 2013.01.23 Wednesday
  • 16:30

 先日、ブックオフで見つけて購入した時代劇漫画3冊。白土三平「カムイ外伝」第17巻/仕掛け崩れ、18巻「飛天の酉蔵」。さいとう・たかを「雲盗り暫平/からくり屋敷、盗んで候]。

カムイ外伝

 白土三平の2巻は、かなり以前に「カムイ外伝」に仕掛人が登場すると言う情報を得ていたので、たまたまブックオフで見つけた際に購入した(読み出すと、これ以前にも、仕掛人が出ていた可能性もあった)。この両巻は「抜け忍・カムイの物語」と言うよりも、完全に「江戸の裏稼業世界」(笑)が舞台だ。現在のカムイの隠れ蓑は、口入屋・稲葉屋の若衆頭・三郎だ(何だか。どこかの「組」の若者頭みたいな雰囲気だった(笑))。

 
そして、同業の口入屋・岩戸屋に雇われて、カムイを狙うのが、浪人者の仕掛人・橘左近で、目的が妻子を養う為の仕官の金と言うのが、神谷兵十郎を思わせた。結局、いろいろあって、橘左近は「刀を捨て」「頭を丸めて」(←まるで「畷左門」(笑)!)、裏稼業から足を洗い、稲葉屋でカムイの弟分になってしまう。

 その次に登場するのが、美形で凄腕の浪人・飛天の酉蔵(素性に関して「秘密」があるが、ここでは伏せます)。仕掛人の元締・極楽堂の配下で、カムイの命を狙う。酉蔵は、剣術道場の跡目争いで惨殺された父親の復讐の為に、殺しの為の剣を学び、やがて仕掛人になった過去が18巻で語られている。この「腕の立つ浪人者が、先代道場主から後継者に指名されるも、身分の高い同輩の僻みで命を狙われる」と言う展開は、「仕掛人・藤枝梅安」シリーズの小杉十五郎を思わせて、非常に興味深い。

 そして、18巻「飛天の酉蔵」では、カムイと互角の腕を持っている酉蔵の他に、同業の仕掛人・要木周造(浪人者。実は酉蔵に「惚れて(笑)」いる!)・賞金稼ぎの首雁衆4人組(刀・銛・棒術・吹き矢を、それぞれ殺しの武器として使用)も登場しているが……ラストのドンデン返しで、酉蔵以外全員死亡!ラストでは、口入屋の三郎と言う"仮の姿"を捨てたカムイが、忍びの追っ手を始末して(その戦いで、遂に酉蔵も落命する羽目に……))、再び流浪の旅に出る場面で終わっている。いわば、この両巻は、カムイが「仕掛人の世界」にふらりと立ち寄った……そんなイメージだった。
 

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時代劇漫画のMOOK 

  • 2013.01.09 Wednesday
  • 22:45

 先日古書店で購入した、京都精華大学情報館の「KINO 今、時代劇が面白い!」過去から2007年までの「時代劇漫画」を系統別に紹介。「へうげもの」の山田芳裕氏や、平田弘史、さいとう・たかを、小山ゆう氏等へのインタビュー。「バガボンド」の研究も。剣豪・忍者・戦乱・その他の分類に分けて、時代劇ギャグ漫画も取り上げられており、かなり詳細なレビューがされてました。

時代劇漫画

 ほぼ8割方の作品は、私も一度は目にしており……半分以上は、過去に読んでいる作品が取り上げられていて、非常に読み応えがありましたね〜〜!(ウンウンとうなずける箇所も多かった)。ここで取り上げられている作品で言うと、小山ゆうの「お〜い、竜馬!」で、自作の「あずみ」について触れてるんですが……現在、この2作は「合流」(笑)してしまっているので、その辺りも聞きたくなってしまいました!

 時代小説や時代劇コミックは、それなりに需要があって読まれているものの、TV(あえて上げるなら「映画」もでしょうか?)の時代劇が不振なのは、春日太一氏が上げられているように、いろいろと事情はあるでしょうが、非常に残念です……。
 

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