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    「桜花忍法帖 〜バジリスク新章〜」感想

    • 2016.01.06 Wednesday
    • 22:22
     年末に立ち寄った書店で、偶然見つけて購入した新刊本の感想です(講談社タイガ文庫)。

    ◎山田正紀「桜花忍法帖 〜バジリスク新章〜」(上・下)

     SF作家として有名な山田正紀氏の忍法帖モノで、山田風太郎忍法帖シリーズの第一作にして傑作「甲賀忍法帖」(…にして、コミック化作品「バジリスク」)の《続編》!「甲賀忍法帖」は、三代将軍の世継問題に絡んで、伊賀・甲賀精鋭の忍者たち―10人対10人によって繰り広げられる壮絶な死闘の末、愛し合う二人の若き忍者−甲賀弦之介と朧も含めて、20人全員が全滅する悲劇……。ちなみに、表紙のイラスト(上下巻2種)は、「甲賀忍法帖」を三見事に時代劇コミック化した、せがわまさき氏が描いている。

    バジリスク

     「桜花忍法帖」は、ラストで死んだ筈の弦之介と朧が生き延びて生んだ、男女の双子の忍者―甲賀八郎と響が主役の物語だ。サイボーグ009・ヨミ編のラストのように、あれだけ見事な結末を見せた物語なのに、「生きていて」「子供がいた」と言うのは何だかな〜〜?…と言った感じなんだが!(笑)まあ、その"大前提"を受け入れないと先に進まないので、そこはスルーすると言う事で。その点さえクリアしてしまえば、後は目一杯楽しめた!
     

     甲賀八郎と響は、両親が備えた「瞳術」以上の"技術(わざ)"の持ち主。互いに愛し合っているが故に、弦之介と朧を「助けた」服部響八郎の思惑(次代の男女をかけ合わせる事で、更に超絶の瞳術の持ち主を生み出そうとする)に対する反発から、心ならずも離別を選ぶと言う悲劇になっている。
     かつて「甲賀〜〜」では敵対した伊賀・甲賀の忍者たちが、徳川忠長を操って、世に戦乱をもたらそうと謀る「第三の敵」−成尋五人衆の出現によって共闘するに至り、壮絶なる忍法合戦を繰り広げる、山風忍法帖もかくあるべしと言うエンターテイメント小説だ!

     原典との違いを言うなら、山風忍法帖が「奇想天外時代劇」ならば、この桜花忍法帖は「伝奇SF」と言ったところだろうか?山風忍法帖に登場するトンデモ忍者たちの「技」に、一応"科学的"な説明(笑)が付け加えられている(桜花忍法帖で、主人公サイドの立ち位置の甲賀五宝連・伊賀五花撰他の忍法は、まだ山風の忍者たちに近い)のに対して、敵側の成尋五人衆の忍法は「時間を操る」「空間を操る」「魔物を召還する」と言った、とんでもないレベルで、しかも何らの「科学的説明(爆)」も付与されていない!
     ……なので、クライマックスでの、成尋衆と甲賀八郎・伊賀響との死闘に至っては、もはや常人レベルを通り越して、訳分からんレベル(←褒め言葉です!(笑))に達している。SFで言う「ワイドスクリーン・バロック」か?(コラコラ、時代劇にSF用語を出すんじゃない!(笑))

     後、原典の「甲賀忍法帖」に対するリスペクトが強烈に感じられ、主人公たちが、死闘の末に散って行った「伊賀十人衆」「甲賀十人衆」に限りない敬意を抱いている描写が、あちこちで見られた(永遠に枯れない桜が「天繕桜」と呼ばれだり、地虫十兵衛の縁戚に繋がる忍者が登場したり、等々)。これは、作者である山田正紀自身による「甲賀忍法帖(他)」への"愛"が、作中人物に投影されているように思える。

     ラストシーン。己の信念に基づいて、ラスボス(一応名前は伏せるが、神君家康以上の巨大な「魔王」!)を倒し、自らも散って行った甲賀八郎を、ただ一人生き残った響が、永遠に枯れない天繕桜のたもとで待ち続ける描写は、正に感動的だった!

     僕が「甲賀忍法帖」を始めとする、山田風太郎忍法帖を読んだのは、もう10年以上前……。佐伯俊男の「エロさ爆発!」のイラストが強烈だった角川文庫版で、長編は(ほぼ)全作、短編集は数作を読了した。その後、この「甲賀忍法帖」へのリスペクトに満ちた作品に、いろいろと遭遇している。次のブログ記事では、そう言った作品群に触れたいと思う。

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